賃貸借契約を結ぶ際、さまざまな必要書類を用意するように言われ、普段なじみのない書類も多く、戸惑っている方もいらっしゃると思います。
とくに初めて契約を結ぶ方は、それぞれの書類にどのような意味があるのかわからず、お悩みの方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は賃貸物件をお探しの方に向けて、賃貸借契約を結ぶ際の必要書類について、それぞれの書類が必要となる理由と発行方法を詳しくご紹介いたします。
賃貸借契約を結ぶ際の必要書類①：印鑑証明
賃貸借契約を結ぶ際、基本的に本人の印鑑証明は必要なく、法律上は銀行印と認印があれば問題ありません。
しかし不動産会社のなかには、契約者本人であることを証明するものとして、実印と印鑑証明の添付を求めてくる場合があります。
また家賃が銀行口座の引き落としである場合は、口座の銀行印も必要なので、契約書を読んでどのような種類の印鑑が必要なのか確認しておきましょう。
連帯保証人は印鑑証明が必要
連帯保証人をたてて賃貸物件を借りる場合は、その保証人の実印と印鑑証明を契約書に添付する必要があります。
これは何らかの理由で契約者が家賃を滞納してしまった場合に、契約者ではなく連帯保証人にその支払いを請求するためです。
つまり実印と印鑑証明とは、連帯保証人が契約者に代わりトラブルに対応するという意思を示すものだということを覚えておきましょう。
印鑑証明の発行方法
印鑑証明を発行するためには、以下の必要書類などを用意し、役所に提出します。
●登録する印鑑
●本人確認書類の写し
●登録費用
これは契約者ではなく連帯保証人になる方に用意してもらうものなので、早めに連絡するなどして、余裕をもって準備を進めるようにしましょう。
賃貸借契約を結ぶ際の必要書類②：戸籍謄本
戸籍謄本とは、身分や親族関係などが記載されている書類です。
賃貸借契約でも戸籍謄本の提出を求められるケースがありますが、現在は必ずしも必要書類ではありません。
なぜ必要書類ではないかというと、本籍地などの情報は賃貸物件の契約には関係なく、人権侵害にあたる恐れがあるためです。
もし戸籍謄本の提出を求められた場合は、なぜ必要なのか確認し、場合によっては提出を拒否することも検討しましょう。
また戸籍謄本は戸籍の全員についての情報が記されていますが、指定した人物の情報のみを記載した「戸籍抄本」というものもあります。
場合によってはこの戸籍抄本を提出することもご検討ください。
戸籍謄本の発行方法
戸籍謄本は本籍地のある市区町村の役場に申請します。
なかには本籍地が遠いという方もいらっしゃると思いますが、そのような場合は以下の書類などを用意し、郵送で取得することも可能です。
●請求用紙
●本人確認書類の写し
●手数料分の定額小為替
●切手を貼った返信用封筒
また代理人に取り寄せを依頼する場合は、委任状も必要です。
賃貸借契約を結ぶ際の必要書類③：住民票の写し
住民票の写しは、契約者の身元を確認するために必要な書類です。
賃貸借契約を結ぶ際に、運転免許証やパスポートなどの身分証明書も提出しますが、前住所や世帯主など本人確認書類には記載されていない情報を調べるために提出します。
また住民票の写しと本人確認書類を照らし合わせ、契約者の情報が正しいかを確認するという目的もあります。
謄本と抄本どちらが必要？
住民票も戸籍と同じように、家族全員分の情報が記載されている「謄本」と、指定した人物のみの情報が記載されている「抄本」があります。
家族で引っ越しする場合は謄本が必要ですが、一人暮らしで賃貸借契約を結ぶ場合は抄本で問題ありません。
またカップルで同棲する場合や、友人や知人とルームシェアで暮らす場合は、それぞれの方の書類が必要になる点に注意しましょう。
記載する情報を確認しよう
住民票には家族の情報のほかに、以下の情報についても記載の有無を指定できます。
●マイナンバー
●本籍地
マイナンバーは重要な個人情報と関連しており、不動産会社によっては受取りを拒否しているところもあるので、記載なしを選んだほうが安心です。
また本籍地も基本は記載なしで問題ありませんが、大家さんによっては必要としている場合もあるので、事前に不動産会社に確認してみましょう。
住民票の発行方法
住民票を発行する際に気を付けたいポイントは、現在の住所が記載された書類を発行するという点です。
なかには引っ越しをするため先に転出届を提出してしまう方もいらっしゃいますが、そうすると現住所を証明できなくなってしまうので注意しましょう。
住民票を発行する際は、以下の書類が必要です。
●請求用紙
●本人確認書類の移し
代理での発行を依頼する場合は、委任状も追加で必要になります。
また役場の窓口で受け取るのが時間的に難しい場合は、郵送や電子申請も可能です。
まとめ
今回は賃貸物件をお探しの方に向けて、賃貸借契約を結ぶ際の必要書類について詳しくご紹介いたしました。
書類に不備があると契約を結ぶまでに時間がかかってしまうので、しっかり内容を確認し、時間に余裕を持って書類を準備しましょう。
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