賃貸物件の広告などに明記されている取引態様を見て、それぞれの違いが何か気になっている方もおられることでしょう。
結論を言うと、主な違いは仲介手数料の有無と重要事項説明の有無です。
仲介手数料とは、賃貸契約成立後に業者に支払う手数料(報酬)のことをいいます。
重要事項説明は、賃貸物件の契約条件や設備などについて書面と口頭で説明することで、宅地建物取引業法(宅建法)が適用された場合は義務です。
そして、この宅建法が適用されるかされないかにより、違いが出てきます。
これから貸主・仲介・代理それぞれの取引態様について解説していくので、内容を比較しながら違いを確認しましょう。
賃貸物件の取引態様の違い①貸主とは

賃貸物件の広告等に取引態様が貸主と明記されている場合は、物件の所有者から直接借りることを意味します。
知り合いの賃貸物件を自分で交渉して直接借りる場合や、不動産屋が一括借り上げしたサブリース物件に入居する場合はこの態様となります。
一般的には個人ではなく業者が業務を行うため、契約等は業者とやり取りします。
〈宅建法の規制について〉
この態様には宅建法は適用されず、これが他の態様との大きな違いとして影響してきます。
原則として、宅建法が適用された場合は業者の業務に一定の規制がかかり、行政からの監督等も受けます。
そのため、業者は気を引き締めてきちんと業務を行う必要がありますが、契約をする側としてはそのほうが安心です。
〈重要事項説明の有無〉
宅建法は適用されないため、重要事項の説明義務はありません。
そうなると、後で問題が起こるのではないかという不安やリスクがあります。
後のトラブルを避けるためには、自ら契約の確認を行うことが大切です。
例えば、家賃の支払いについて、退去時の原状回復の費用の負担がどうなるのか、修繕積立金や修繕の対応など、気になることを書面にして確認しておくといいでしょう。
〈仲介手数料の有無〉
そもそも手数料を支払うのは、契約成立のために動いてくれた業者に対するお礼や報酬のような意味があります。
しかし、この場合は物件の所有者から直接賃貸することになるため、手数料を負担する必要はありません。
賃貸物件の取引態様の違い②仲介とは
業者が間に入って仲介し、賃貸契約を成立させる方法です。
主に契約の手続きなどの業務を行ってくれます。
専門的な知識を要するため、自分ですべてを行うことは難しく、宅地建物取引業の免許を持っている業者を頼ることが一般的です。
〈宅建法の規制について〉
宅建法は適用されるため、適用されないケースと比べるとさまざまな部分で違いが出ます。
なお、業者の業務には一定の規制がかかり、行政からの監督等も受けることになることは安心できるポイントです。
〈重要事項説明の有無〉
宅建法に基づき重要事項の説明義務はあります。
契約内容や賃貸物件についてきちんと知ることができるため、安心です。
〈仲介手数料の有無〉
賃貸契約が成立した際には、手数料の支払いが発生することも取引態様が貸主の場合と違う部分です。
基本的には、物件の所有者も借主もそれぞれ賃料の0.5ヶ月分以内を業者に支払いますが、場合によりどちらか一方のみ1ヶ月分の賃料を払うケースもあります。
〈仲介手数料が無料の物件もある〉
稀にですが、手数料無料という物件もあります。
お得感を煽っている怪しい物件ではないかと心配になりますが、そうではないので安心してください。
手数料は賃料一か月分までと上限が決められていますが、下限は決まっていません。
一般的には上限いっぱいで設定されていることが多いです。
しかし、早く契約に結び付けたい場合などに手数料無料と謳い、入居者を募集するケースがあります。
その場合は、手数料分を負担しているのは大家です。
賃貸物件の取引態様の違い③代理とは
取引態様に代理と明記されている場合は、不動産会社などの業者が物件の所有者の代理の立場で契約を進めます。
物件の所有者は業者に報酬を支払い、業者は入居募集から賃貸契約が成立するまでの業務を行います。
物件を管理している管理会社が募集を行っている場合、この取引態様であることが多いです。
〈宅建法の規制について〉
宅建法は適用されます。
業務の規制や行政の監督等があるので借主側としては安心できることが、宅建法が適用されていない場合との違いです。
〈重要事項説明の有無〉
基本的に代理となった業者は物件の所有者と同じような立場です。
そのため、宅建法が適用されて重要事項説明の義務も発生します。
〈仲介手数料の有無〉
基本的に、手数料の支払いは必要です。
金額は、原則として賃料の1ヶ月分以内とされています。
主に物件の所有者が支払うことが多いですが、場合により違うことがあるので確認しましょう。
物件の所有者、借主両者とも支払いが必要となった際には、合計で賃料の1ヶ月分以内となるように金額を調整する必要があります。
まとめ
取引態様が「貸主」の場合は宅建法が適用されず、仲介手数料不要で重要事項説明の義務もありません。
そのため、契約内容を自分でよく確認することが大切です。
取引態様が「仲介」や「代理」の場合は、宅建法が適用されます。
手数料の支払いは発生しますが、重要事項説明を受けることができるため、安心して賃貸契約できることがメリットです。
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